はじめに
YAMAHAルーター(RTX1300)を調子に乗っていろいろと設定していたら、ネット越しに接続できなくなった…
こんなときには最終手段。RJ-45 CONSOLEポート(シリアルポート、COMポート、RS-232Cポート)へ接続し、復旧を試みます。
事前準備
「FTDIチップセット付きのUSBシリアル変換ケーブル」を用意します。見た目はRJ45コネクタが付いたUSBケーブルです。ポイントは、USBコネクタ部分にFT232Rが内蔵されていることです。これにより、PCとのシリアル通信が可能となります。
こんなカラフルなケーブルもあります。
シリアル通信とは、デバイス間の通信方式の1つです。1本の伝送路で1ビットずつデータを送信する方式のことです。
作業手順
シリアル変換器のデバイス名確認
まず、macOSに接続したUSB シリアル変換器のデバイス名について確認します。 /dev/tty.*
より接続状況(デバイスファイル)の一覧を取得します。
$ ls /dev/tty.* | grep usb
/dev/tty.usbserial-FTB6SPL3
デバイスファイル(例. tty.usbserial-FTB6SPL3)を特定することができます。
usbserial 以降の文字列はシリアル変換器によって表示が異なります。
screen コマンドによる接続
特定したデバイスに対して、screen
コマンドにて接続を行います。このとき、ボーレートは 9600 bps に設定します。
$ screen /dev/tty.usbserial-FTB6SPL3 9600
ボーレートとは、デジタルデータを1秒間に何回だけ変復調できるかを示す値です。[bps](bit per second)という単位で表記されています。
ケーブルの接続が正しければ機器側のプロンプトが表示されます。
screen コマンドの終了
screen コマンド上で control + a を押し、次に k を押します。
すると画面左下に Really kill this window [y/n] と表示されます。
ここで y を押すと screen が終了します。
YAMAHA RTL1300 との接続
USB RJ45 コンソールケーブルをYAMAHA RTL1300の前面にある「RJ-45 CONSOLEポート」と接続します。
cold startコマンドで工場出荷時の状態に戻す
問題箇所の特定が困難な場合、すべての設定を消去する(工場出荷時の状態に戻す)ことも有効です。YAMAHAルーターの場合、CONSOLEポートに端末を接続して、そこから cold start コマンドを使用します。
cold start コマンドを実行すると、管理パスワードの入力を要求されます。管理パスワードを入力すると、ルーターが再起動し、工場出荷時の状態に戻ります。
Username: admin
Password:
RTX1300 Rev.23.00.12 (Thu Apr 11 10:55:50 2024)
Copyright (c) 1994-2024 Yamaha Corporation. All Rights Reserved.
To display the software copyright statement, use 'show copyright' command.
> administrator
# cold start
Password:
YAMAHAのルーターには「一般モード」と「管理者モード」が存在します。screen コマンドでログインした直後は「一般モード」です。このため、設定の追加、変更などができません。
administrator コマンドで管理者モードへ切り替えた後に、設定の変更を行う必要があります。
現在のモードはプロンプトから識別することが可能です。先頭が「>」は一般モード、「#」が 管理者モードとなります。
cold start コマンドでは、不揮発性メモリの内容を工場出荷直後の設定に書き換えてから再起動を行います。
文字化けしている場合
YAMAHAルーターは、初期設定の文字コードが SJIS です。PC(ターミナル)側の文字コード設定がルーターと異なっている場合、文字化け表示されます。console character コマンドにて解決することが可能です。
コマンド構文は次のとおりです。
# console character ascii
# save
Saving ... CONFIG0 Done .
#
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