みなさん、こんにちは。Noriaki Hayashiです。
本記事では、解説ラベル(インデックス)を付けた「サンプル本」(見本書籍)の制作過程についてご紹介します。
この知見は、技術書典や同人誌イベントなどでサークル参加する際にも活用いただけるのではと思います。
サンプル本(見本書籍)とは
「サンプル本」(見本書籍)とは、参考書や専門書などで内容の説明が必要な書籍に対して用いられます。これらの書籍には、解説ラベル(インデックス)やマーカー引きが施されており、試し読みを促す役割を持っています。一般に「見本誌」とも呼ばれますが、販売前の刷り上がり見本と混同されやすいので、ここでは「サンプル本」と呼称します。
制作の背景
今回「サンプル本」(見本書籍)を制作するのは、2025年8月30日にSBクリエイティブ社より刊行された『実践サイバーセキュリティ入門講座 現場に残された痕跡からハッカーの攻撃を暴け』(ISBN:4815634254)です。
これまでnoteやposfieを使って情報発信を行ってきました。
住宅事情や保管などの観点から、電子版は非常に便利です。私も技術書の多くを電子版で購読しています。しかし、制約がなければ本は紙派です。一字一句を追うだけならば電子版で充分ですが、パラパラとページをめくることで新たな気づきが得られる体験は、現時点で電子版が紙の領域に達していないと感じています。
また、イベントで書籍を紹介・展示するときには、やはり紙が適していると考えています。
このように紙の書籍の魅力を改めて伝えたいとの想いから、今回サンプル本の制作に挑戦しました。
揃えた素材
サンプル本を制作するにあたり、いくつかの素材を揃える必要があります。ほとんどは「100円均一ショップ」で入手することが可能です。
- 紹介・展示する対象物(書籍)
- クリアブックカバー
- タックシール
- インデックスふせん
- 付箋(複数サイズ)
マストアイテム
クリアブックカバー A5判 12枚入
サンプル本は多くの方に手に取っていただくことになります。したがって、カバーは必須のアイテムです。
ダイソーで入手可能な、厚く耐久性の高い「軟質クリアブックカバー」(塩化ビニル樹脂製)と、薄く透明度の高い「クリアブックカバー」(ポリプロピレン製)があります。
いずれも文庫判、新書判、B5判、A5判、A4判などサイズ展開は豊富です。今回の対象書籍はA5判(本のサイズは、148mm x 210mm)でした。
今回はサンプル本として書影も楽しんでもらうため、「クリアブックカバー」を選択しました。
タックシール
タックシールとは、裏面に粘着剤が塗布されており、はがしてすぐに貼り付けられる小型のラベルシールです。
ブックカバーの上にタックシールを貼って装飾しています。
こちらもダイソーで入手可能な「タックシール キレイにはがせるタイプ 30枚」を用意しました。
あると便利
インデックスふせん
インデックスに文字を書き込み、端に貼ることで、見たい・見せたいページをすぐに誘導することができます。また、インデックスを貼ることで全体や階層を把握しやすくなる効果も期待できます。
書店に置いてあるサンプル本のほとんどは「インデックスラベル」(シール)を貼っています。今回はサンプル本を試行錯誤している段階のため、剥がすこともできる「インデックスふせん」を使用することにしました。
いろいろなサイズの付箋
インデックスで誘導した先の見開きにて情報を示すために幅広な(75x100mm)「付箋」を用意しました。
とくに注目してほしい箇所に貼るために「矢印ふせん」を用意しました。
ラベルの作成
ブックカバーで保護した本にタックシールで作成したラベルを貼っていきます。張る位置によっては小さく切るなどの加工も施していきます。
見本誌ラベル
まず「見本誌ラベル」についてです。展示場所によっては、「見本」と記載されているために試供品と勘違いされ、持ち帰られることがあります。そのため、「展示品」と記載する方が適切な場合もあります。
今回は、著者名が描かれている箇所に上書きする形で「これは見本誌です。」と記入したシールを貼りました。
著者名を上書きした背景には、著者情報をアップデートしたいという意図があります。
そのため、見本誌である旨の記載とともに、著者肩書として「高知高専 実務家教員 林 憲明」を加えています。

表紙POPラベル
もっとも重要な「表紙POPラベル」についてです。対象書籍のタイトルは抽象的であり、実際に書籍を開いていただかなければその内容を想像しづらいものです。
この点を踏まえ、キャッチコピーの作成を検討しました。
まず、メインコピーには「人と違う挑戦をしたい方へ」を設定しました。
次に、サブコピーとして「実際に手を動かし痕跡をたどる」を選びました。
これら2つのコピーをつなぐ文章を考え、結果として次の83文字で構成される文章になりました。
人と違う挑戦をしたい方へ
実際に手を動かし痕跡をたどる楽しさや没入感で参入障壁を下げ失敗を学びの機会として受け入れる現実に即した6つのシナリオが貴方の探究心を刺激する!

囲みラベル
「囲みラベル」には、刊行後の実績としてアピールできるポイントを記載したいと考えました。対象書籍の場合、「発売2週間で即重版」という実績は伝えたいところ。
そこで、「発売即重版出来」の表現に決めました。
すべて漢字表記で読みづらいため、色を変えてメリハリをつけています。また、文字を縁取り(袋文字)にすることで、視認性とデザイン性を高めています。

バーコード目隠しラベル
「バーコード目隠しラベル」は、裏表紙のバーコード部分に重ね貼り付けてサンプル本であることを区別するためのものです。
無地シールで事は足りるのですが、今回はサイン色紙を掲出している都内書店のリスト(一部)を紹介するスペースとして使用しました。

書店巡りの記録については、こちらの記事をご参照ください。

インデックスふせんの作成
見やすいインデックスの数は5、6枚
今回のサンプル本は全8章構成です。当初、各章や付録部分にインデックスを付けることを検討しました。しかし、それでは手に取った人に書籍のアピールポイントを素早く伝えるには至らないと気づきました。
そこで、アピールしたいポイントを5ページに絞り込みを行いました。

インデックスって揃えて貼るのが結構、難しい……。
そんな人に応えるべく、「インデックスルーラー」を公開されている方がいらっしゃいました。

見開きページ内解説ラベル
インデックスラベルにて示した先では「見開きページ内解説」(幅広な付箋)を貼りました。特に強調したい単語は太字。重要なキー先手素に対しては蛍光ペンでマーキングしました。

まとめ
サンプル本づくりは手間がかかるように見えますが、ポイントを押さえれば「誰でも再現できる型」に落とし込むことができます。
本記事では、必要な文具の選び方からラベルコピーの考え方、インデックスの貼り方まで具体的な手順を紹介しました。
まずは紹介リンクから基本アイテムをそろえ、ご自身の本に合った見せ方をブラッシュアップしてみてください。
参考情報
- 株式会社PLAN, 元店員が教える!ヴィレヴァン風のポップの上手な書き方とコツ, 2017/11/07
- イガラシプロ有限会社, 見本書籍制作を承ります, 2019/10/24
- デルタプラス, 書店のサンプル本には3ステップの解説が!?, 2019/11/18
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