みなさん、こんにちは。Noriaki Hayashiです。
本記事では、アラフィフ(47歳)がいかにして、1ヶ月と4日(35日間)で「キューブ6面完成」を84秒間で達成したのかについてまとめています。
ルービックキューブの歴史と出会い
「ルービックス・キューブ」(6面パズル, 3x3x3)は、ハンガリーのエルノー・ルービック(Rubik Ernő)教授が1974年に考案し、1977年に発売されました。日本には1980年に上陸。8ヵ月で 400万個が完売するという、今なお語り継がれる記録的な人気商品となりました。その後、一時ブームは去りましたが…
2000年代に入り、特許が失効したことで、類似商品が多数販売されるようになりました。
私が再びキューブに出会ったのも、そうした商品の一つで、カプセルトイとして販売されていた「6面パズル」でした。

ルービックキューブの特許は失効していますが、商標は現在も有効です。そのため、類似商品には「Rubik’s」や「ルービックキューブ」の名称は使われていません。
ただ、カプセルトイは品質が悪くすぐに壊れそうな印象が。

カワイイと手に取ったカプセルトイの『激むず はらぺこキューブ dolce』
いきなり全面絵柄の入ったキューブの挑戦は無謀でした。
ルービックキューブ ver.3.0
どうせなら、最初から良いものを手にしたいと思い、本家(株式会社メガハウス)が販売している『ルービックキューブ ver.3.0』を購入しました。
年の功は通用せず──最初の壁
年齢を重ねているからといって、簡単にキューブを揃えられるわけではありません。キューブを購入してから3日後、速くも壁にぶつかり、攻略本『世界一わかりやすい6面パズル入門』を手に取りました。
「だれでも、かならずできるようになる!」というキャッチコピーに惹かれ、半信半疑で本を開きました。見よう見まねでガチャガチャとキューブを回すうちに、ついに人生初となる「キューブ6面完成」に到達できたのです。

メガハウスでは、ルービックキューブ3×3タイプで6面を揃えられた方に、「ルービック・キュービスト認定書」を発行しています(認定証の発行は有料)。
世界一わかりやすい6面パズル入門
本書はフルカラーの図や写真で構成されおり、8つのステージを経て6面完成に至るまでの手順が丁寧に解説されています。さらに、各ステージにはQRコードによる動画解説リンクが掲載されているため、絵や文章だけでは分かりにくい部分も、動画でしっかり理解できました。
必殺技との出会い──心を掴む「デイジークロス」
キューブを揃えるための最初のステージは、黄色のセンターパーツのまわりに白のエッジパーツを置いて花びらのような形をつくること。――その完成形は「デイジークロス」と呼ばれています。この必殺技のようなネーミングに、私の厨二病がザワつきました。

技の名前にワクワクする
さらに、回転手順には「セクシームーブ」「スレッジハンマー」「Tパーム」など、ユニークで印象的な名前が付けられており、その一つひとつに胸が高鳴りました。まるで新しい世界の扉を開く合言葉のように、これらの技名が私を夢中にさせていきました。
新たな挑戦への欲求
気がつけば、「本を見ずに完成させたい」「もっと素早く6面を揃えたい」と、新たな欲求が芽生えていました。最初はただ完成させることが目標だったはずが、次第に自分自身への挑戦へと変わっていったのです。
立ちはだかる「Tパーム」
各ステージの回転手順を記憶していったのですが、新たな壁にぶつかります。ステージ7「上段のコーナーをそろえよう」で、14手からなる「Tパーム」がどうしても覚えられなかったのです。
何度もガチャガチャとキューブを回し続ける日々。しかし、いくら繰り返しても手順は頭に入らず、解決策を探してYouTubeの動画を徘徊し始めました。
「スピードキューブ」との出会い
YouTubeを徘徊したことで「スピードキューブ」(競技用キューブ)の存在を知りました。
そもそも、キューブをガチャガチャと力任せに回していたのは昭和のやり方だったようです。今では、磁石を内蔵し、引っかかりがなくスムーズに動かせるキューブを使うのが定石となっています。
競技用キューブの選択肢
元祖Rubik’sブランドであれば、「ルービックスピードキューブアドバンス」が用意されています。
世界ランカーの多くは中国メーカーのキューブを使用しており、代表的なメーカーには、GANCUBE(ブランド名:Swift Block/Monster Go)、MoYU、QiYi、DaYanなどが知られています。
道具を変えることで、これまでの限界を突破できるかもしれない――そんな希望を胸に、私は次の一歩を踏み出しました。
Swift Block GANCUBE 355 S
キューブを手にしてから26日目。新たな相棒『Swift Block GANCUBE 355 S』を手に入れました。 それまで使っていたキューブとは、まったくの別物です。
進化したスペックに驚き
55mmサイズ・85gのキューブはやや重めで、がっしりとした手応えが特徴です。各ピースは一体成形のステッカーレス仕様で、ネオンカラーの鮮やかなコントラストが視認性を高めてくれます。ピース表面は艶消しのマット加工が施されており、サラサラした心地よい触り心地。
カスタマイズ性と快適な操作感
特別な工具を使わずに、スプリングギアを5段階で自分好みにチューニングできるのも魅力の一つです(センターキャップを外して張力を手動で調整が可能)。

さらに最大のポイントは、48個の磁石カプセルが内蔵されていること。この磁石が回転をアシストし、ピタッと狙った位置で止まってくれる。まるで「フィジェットトイ」(手慰み玩具)のようなリラックス効果すら感じられます。

新しいキューブの操作感に、私はすっかり虜になってしまいました。道具が変わるだけで、こんなにも世界が広がるのか――そう実感した瞬間でした。
「Tパーム」の突破口
『Swift Block GANCUBE 355 S』は、スルスルと軽快に回せるため、練習も格段にスムーズになりました。
鬼門だった「Tパーム」も、単に手順を暗記するのではなく、「白ピース」がどのように動くのかに注目することで、ついに習得することができました。
この新しい考え方のきっかけとなったのが、この動画との出会いでした。
速くなるための練習─タイマーアプリ
適当にキューブを混ぜて(スクランブル)、本に頼らず自力で6面を完成できるようになると、「さらに上達するにはどうすればいいのだろう?」と考えるようになりました。
回転記号を覚えたり、ホームポジションを見直したりと、まだまだ学ぶべきことはたくさんあります。
キューブ専用タイマーアプリ「DC Timer Lite」
成長を実感するために取り入れたのが、タイム計測。昨日の自分より速くなっているかどうかが明確に分かります。
キューブ専用のタイマーアプリがいくつかリリースされています。私が現在使用しているのが『DC Timer Lite』です。

スピードキューブ練習でタイマーアプリを使う際、最も重要なのが「スクランブル」情報です。回転記号の通りにキューブを回せば、アプリの展開図と同じ状態にキューブを崩すことができます。
スクランブルの正しい始め方
キューブをスクランブルする際は、必ず「白上・緑前」の向きでスタートします。このルールを守ることで、誰もが同じ条件で練習やタイム計測が行えます。
公平な比較と分析の再現性
スクランブル情報が表示されることで、全てのユーザーが同じ条件でキューブを崩し、タイムを計測できます。これにより、公平な比較が可能となります。また、各タイム記録に対応するスクランブルが保存・表示されるため、「どのスクランブルで何秒かかったか」を後から確認でき、練習や分析の再現性が高まります。
効率的な練習と弱点分析
スクランブルごとにタイムを記録できるため、「どのような崩し方が苦手か」といった分析がしやすくなります。これが効率的な練習につながり、上達への近道となります。
ついに達成!ベストタイム84秒の6面完成
キューブをはじめて35日目、ベストタイム84秒間(1分24秒)で6面完成を達成することができました。
ベストタイムはあくまで参考値
しかし、キューブのタイムは1回の計測だけでは運や誤差の影響が大きく、実力の正確な指標とは言えません。 そこで重視されているのが「AO5(Average Of 5)」という指標です。
AO5とは何か
AO5は5回の試技を行い、その中で最高記録と最低記録を除いた3回のタイムの平均を取る方法です。これにより、一回の偶然の良い結果や悪い結果に左右されず、より正確に自分の実力を測ることができます。
さらなる目標に向けて
『Swift Block GANCUBE 355 S』を使いはじめてから、タイムは順調に向上しています。しかし、使い慣れてくると新たな課題も見えてきました。
「バネ鳴き」の遭遇
まず気になりはじめたのが、「バネ鳴き」です。これは回転時にバネとネジが擦れて「キリキリ」という音がする現象です。この問題を解決するために、潤滑剤の塗布を検討する時期がきたのかもしれません。
MagLev搭載モデルへの興味
さらに、バネの代わりに磁石の反発力を利用したMagLev(マグレブ)を搭載した『GAN15 Maglev Frosted』の購入も検討したいです。
今後は、AO5を90秒以内に収めることを目標に、さらに鍛錬を積んでいきたいと思います。
キューブは年齢を問わず楽しめるパズルです。始めてまだ1ヶ月ですが、着実に成長を実感できる素晴らしい趣味だと感じています。
低コストで、どこでも楽しめるキューブ。この機会に、あなたも新しい趣味として始めてみませんか。
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